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先生方のお話 先生方のお話 一覧

 

「ビタミンC」と「ビタミンP」のお話 三羽 信比古 先生(広島県立大学生物資源学部教授・薬学博士)

ビタミンPとビタミンCの同時摂取が美肌を造る

美肌は体内から造る
 私たちは、いろいろな栄養素を食べ物として体にとりいれ、生命を維持しています。これらは、歯で噛み砕かれ、胃でさらに細かく消化され、酵素やホルモンの作用で腸から吸収され、エネルギーになります。同時に物質の合成や分解、排泄も行われます。この食べたものの変化のプロセスを代謝と呼んでいます。代謝の働きに重要な役割を果たす酵素やホルモンは多すぎても少なすぎてもいろいろの病気を引き起こします。
 
植物を守るビタミンPとビタミンCのチームワーク その1
図1:カンキツ類でのビタミンPとビタミンCの協調効果によるUV障害の防御
図1: カンキツ類でのビタミンPとビタミンCの協調効果によるUV障害の防御
 
 人体は紫外線(UV)に弱く、例えば、皮膚ではUV傷害を受けて、多数の細胞が日々死んでいます。ところがレモンやみかんなどはもっと強烈なUVを照射されていますが、UV傷害を防いでいるのです。この機序として、これらカンキツ類の果実の皮には多量のビタミンP(ヘスペリジン)が含まれていて、ビタミンCと協調してUVから身を守っていると考えられます(図1)。
先生方のお話 一覧
ビタミンPとビタミンCのお話 三羽 信比古先生
甜茶のお話 鵜飼 幸太郎先生
花粉症のお話 永倉 俊和先生
亜鉛のお話1 田中 久先生
亜鉛のお話2 富田 寛先生
α-リノレン酸のお話 奥山 治美先生
L-カルニチンとコエンザイムQ10のお話1 紀氏 健雄先生
L-カルニチンとコエンザイムQ10のお話2 矢澤 一良先生
グルコサミンとコンドロイチンのお話 柳本 行雄先生
 
ビタミンCだけで安心しないこと
 植物でのビタミンP+Cの協調作用は人体でも活用すべきです。というのは、ビタミンCは人体にとって安全で有効なフリーラジカル消去剤ですが、血液中では20分から3時間ほどで半減してしまいます。この短寿命はビタミンP(ヘスペリジン)の同時摂取によって大幅に向上されます。
 
ビタミンCがメラニンを抑制し、ビタミンPがそのメカニズムを増殖する
図2:ビタミンPとビタミンCの同時摂取による肌美白メカニズム
図2: ビタミンPとビタミンCの同時摂取による肌美白メカニズム
 肌を色黒にする原因であるメラニン色素は皮膚の色素細胞(メラノサイト)の内部で作られます。ビタミンCはメラニンを合成する早期の段階で働くチロシナーゼという酵素の働きを阻害します。さらに、いったん合成されたメラニンはビタミンCによって脱色されます。このようにビタミンCはメラニンを抑制する2つの作用点があります。ビタミンPはビタミンCによるこの明確なメラニン抑制メカニズムを顕著に増殖します(図2)。
 
シワ・タルミを防ぐビタミンP+Cの相乗効果
 皮膚のシワとタルミを引き起こす直接的な原因は、コラーゲンを主とする構造強化タンパク質の減少と劣化です。未熟成なコラーゲン前駆体の1本の鎖は3本鎖に寄せ集まって初めて、皮膚の構造を強化します。この3本鎖集結にビタミンCが不可欠です。他方、コラーゲンを分解するMMPという酵素が紫外線や微生物によって増加しますが、ビタミンCによって抑制されます(図3)。
 
図3:皮膚のシワ・タルミ防御におけるビタミンPとビタミンCのコラーゲン増強効果
図3: 皮膚のシワ・タルミ防御におけるビタミンPとビタミンCのコラーゲン増強効果
 
 ビタミンCはこのようにコラーゲンの黒字を増やし、赤字を減らす。このコラーゲン収支改善効果はビタミンPによってさらに促進されます。ビタミンP+Cの同時摂取が、皮膚コラーゲンを増強させることによってシワ・タルミ防御効果を示すと考えられます。
 
三羽先生のプロフィール
三羽先生
三羽 信比古 【ミワ ノブヒコ】
広島県立大学・生物資源学部・教授(生物資源開発学科・遺伝子制御工学研究室)、同大学院・生物生産システム研究科・教授併任
1949年1月生   大阪府出身
1971年   大阪大学理学部卒業、その後大阪大学大学院修了、東京大学・薬学博士、国立予防衛生研究所・主任研究官、日本基礎老化学会評議員
1989年   広島県立大学生物資源学部・助教授
1994年   現職
◆研究室の構成
教授1名、共同研究者(助手)1名、科学技術研究員1名、研究技術員1名、教務技術員2名、大学院生10名、学部生7名…計23名
◆著書
1) 「ビタミンCの知られざる働き」(細胞内ビタミンCの増大化による血管・皮膚・脳神経での細胞死の人為的防御) 丸善
2) 「バイオ抗酸化プロビタミンC」(フリーラジカル・ガン・老化防御と化粧品・健康食品の研究開発) フレグランス・ジャーナル社
3) 「細胞死の生物学」 東京書籍
4) 「プログラムされた死」 岩波書店
5) 「逆説!細胞死が生命を形造る」 NTT出版
【以上、単独執筆】
1) 「老化予防食品の開発」 CMC出版
2) 「老化のメカニズムと制御」 IPC出版
3) 「老化と寿命」 裳華房
4) 「ガンを防ぐ食品」 マキノ出版
5) 「癌に対する生体防御機構」 共和書院
6) 「新しいサイトカイン」 金芳堂
その他
◆省庁プロジェクト参画
1) 文化省・がん特別研究「非免疫系抗腫瘍因子」班
2) 科学技術庁・科学技術振興研究「生理活性物質」プロジェクト
3) 厚生省・健康長寿特別研究「周産期生理機能」班
4) 文部省・重点領域研究「神経難病」班、5)ヒューマンサイエンス振興財団(厚生省傘下)官民共同研究
5) ヒューマンサイエンス振興財団(厚生省傘下)官民共同研究
6) 文部省・がん特別研究「抗腫瘍因子の構造と機能」班
7) 文部省・総合研究A「細胞増殖阻害因子」班
8) 文部省・重点領域研究「神経細胞死」班
その他
 
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