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花粉症で悩む人が急増していることで、病気や治療法などへの誤解も増えているようですね。 |
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治療法に関しての誤解の最もたるものといえば、油に溶かしたステロイドホルモン薬の筋肉注射による治療でしょう。
「ひと月に一回筋肉注射するだけで、症状がぴたりと止まる。」という情報がけっこう独り歩きしていますが、これは実は非常に怖いことです。油性ですから少しずつ溶けて、ひと月ぐらい持続するわけでして、この注射が効くことは否定しません。
ところが、持続的に体内に入り続けるということで、懸念される副作用があることも事実なのです。女性では生理が狂う、小児では数回注射すると身長が伸びなくなるなどの副作用があり、普通、専門医ではおこないません。 |
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そういう恐ろしい副作用のことを知らないと、そりゃあ一ヶ月に一度で済むほうがいいと思っちゃうわけですね。 |
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専門医では減感作注射というものを行います。これはスギのエキスを約1000万分の1にうすめて少量ずつ皮下注射するものです。毎週1〜2回注射するという手間はかかりますが、ステロイドホルモンのような副作用はありません。 |
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他にぜひ必要な知識として、特に重要と思われることを教えていただけませんか? |
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日本人、特に若年層は、ハンバーガー、フライドチキン、フレンチフライ、スパゲッティ、揚物というように、極端にn-6系多価不飽和脂肪酸を豊富に含む食品を好んで食べます。n-6系多価不飽和脂肪酸の過剰摂取と、EPA、DHA、α-リノレン酸などn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取低下とが重なって、日常の食品中のn-6/n-3比が高くなっています。そのレベルは高脂肪食といわれる欧米人にどんどん接近しています。その結果、日本人の若年層の体の中では従来にない脂質代謝が起きていると考えられます。
n-6系多価不飽和脂肪酸は、体にとって不可欠なものではありますが、食べすぎるとアレルギー反応や炎症を引き起こす物質を体内で産生する原料となります。したがって、若年層にみられるn-6系多価不飽和脂肪酸の摂取過多が、こどもたちの体質をアレルギーをひきおこしやすい体質に徐々に誘導していると考えられています。
この点について正しい知識を持つとともに、特にお母様方は家族に適切な食生活をさせるような配慮が必要です。 |
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ついつい、手軽で安いハンバーガーなんかに手が出てしまいますからね。 |
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某ファーストフード会社の戦略では「3歳までにおいしいと思った食品を一生無意識で選択するため、その年齢までに母親とその子供をその食品になじませておくことが必要である。」ということが公然と言われています。このような戦略のもとに提供される食品の誘惑に打ち勝つだけの、正しい知識が望まれます。
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手軽なファーストフード食品などがアレルギーをひきおこしやすい体質に関係あるということですが、他にアレルギーの要因と考えられるものを教えてください。 |
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一般的に30年前は、アレルギーというと喘息がクローズアップされ、特に大気汚染、高濃度大気汚染との関連がマスコミを賑わしました。この10年は、アトピー性皮膚炎が小児だけでなく成人においても著しく増加しています。
皮膚炎増加を引き起こす因子としては、やはり食生活を挙げないわけにはいきません。特に動物性蛋白の摂りすぎや離乳食の早期開始、先程述べた脂肪酸の問題です。また、成人においてはストレスが重要な因子となりますし、ハウスダストの主な成分であるチリダニの増加なども指摘されています。 |
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食品添加物のことをあれこれ言う向きもあるようですが・・・。 |
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たとえばアスピリン喘息の患者さんが黄色い色素を摂取すると、その構造がアスピリンと似ているためにひどい喘息を起こすことが知られていて、その因果関係が証明されています。また、アトピー性皮膚炎と添加物の関係についてはみんな疑ってはいますが確実な証拠は示されていません。
しかし、私たちが毎日どれほどの添加物を口にしているかと申しますと、すでに10年前の統計で日本人一人当たりが添加物を一日に約5〜6g摂取している計算になっています。ちなみにこれは実際口に入る食品を分析した結果ではなく、養殖場で用いられる合成剤も含んで日本で消費された各種添加物の総量を乳児を除いた全人口で割って得られた数字です。
ちょうどコーヒーについているペットシュガーが、昔一本6gでした。いまは3gがポピュラーですから、その2倍。毎日添加物は、想像以上に体内に入っているということです。
これらの化学物質が体内で炎症を引き起こしやすい体質を絶対に誘導しないという保証はありません。人間の肝臓は予備能力が著しく高いため、3分の2を切り取ってしまっても生きながらえますが、これだけの量の添加物を何十年にもわたって、特に小児が食べ続けた場合、肝臓の解毒機能に負荷がかかり、後になって影響が出てくることを考えれば大変不安になります。 |
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アレルギーを引き起こす要因としては、他にも考えられるのですか? |
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都市化とアレルギーの関係は、誰もが疑っていました。かつて東西陣営において疫学調査が行われていました。
ドイツにおける東西ドイツでの比較、北欧ではスウェーデンのストックホルムとバルト海を隔てた旧ソ連領リトアニアとの比較データなどがあります。それらによって旧東側諸国の方が各種アレルギーの病気が有意に少ないということが明らかになりました。このことは、都市化近代化にともなう生活環境のさまざまな変化がアレルギーの病気を引き起こす原因となっていることを示しています。ただ、その因子は数多く、おそらくただ一つだけが飛びぬけて悪さをしているのではなくて、複合的な影響力によるものと考えられます。 |
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では、現状でもっとも望ましい花粉症の治療方法を教えてください。 |
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薬による治療ですと、花粉飛散の数週間前から抗アレルギー薬の内服を開始することですね。ただし、慢性鼻膿症など鼻内の病気を前もって治療しておかないといくら薬物治療しても治りにくいですから、蓄膿の方などは、そちらの治療を先にされるべきでしょう。
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日常生活で注意することもいろいろありそうですね。 |
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花粉が飛ぶ日に外出を控えるとか、暖かい風のある日に布団や洗濯物を外に干さないとか、もし干したら掃除機で付着した花粉を吸い込んでから家の中に取り込むとか、注意したほうがいいことはいろいろあります。鼻から食塩水を吸い込む鼻うがいはとても効果がありますから、日頃から練習しておくといいですね。過労とならないように生活をコントロールすることも重要です。たばこは粘膜を刺激し、よくありませんから、減らすか、できればやめます。でも、なかなかやめられないようです。そういう人にはニコチンガムやニコチンテープなどの指導をしています(笑)。
ただ、バラの花粉にアレルギー反応するバラ喘息のケースでは、造花のバラを見て不安感で発作を起こすナイーブな例もあります。症状には自律神経も関係しているので、たとえばテレビの予報を見て一喜一憂したり、あまり過度に意識しすぎるのもどうでしょうか。花粉症対策として万全の準備は必要ですが、やることをやったら、後はどんと構えることです。 |
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先程のお話で、食生活が非常に重要であることがわかったのですが、改めてポイントを教えてください。 |
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まず、動物性脂肪、リノール酸の摂り過ぎを控えること。そして、α-リノレン酸を豊富に含む食品をバランスよく摂ることです。
食事に関しては花粉の種類は問わず、医師の指導のもとに、献立は和食中心にしてください。ただし花粉が飛びだしてから急に変えてもダメで、数ヶ月前から徐々に食生活を変えておくことが大切です。 |
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体質は急には変わらないということでしょうか。 |
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精製魚油やEPAのカプセルを内服した場合、2〜3週間で人の組織(赤血球)に入り、細胞膜の油の組成が変化することがわかっています。食生活の中で急激にα-リノレン酸やDHA、エイコサペンタエン酸(EPA)を増やすことはなかなか難しく、時間をかけてじっくり取り組むほうがよいでしょう。
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他に、うまくα-リノレン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)を増やす方法はありますか? |
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慣れ親しんだ洋風の食生活を、急に和食に切り替えることは、たやすいことではありません。味の志向だけでなく、都市においては良い魚が安く手に入りにくいという社会構造もあります。
このような場合、商品の補助として、EPA、DHA、α-リノレン酸などn-3系の油を苦痛なく自然のうちに摂取できることが望ましいと考えられます。そのような時にお奨めできるものの一つがシソの実油、および利用しやすいように商品化された「シソ油αED」です。実際に患者さんにも非常に評判が良く、私も現在、シソ油を使ったケーキのレシピを開発中です。
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最近「花粉アレルギーに甜茶(てんちゃ)がいい」という話も耳にします。甜茶についても教えてください。 |
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甜茶は中国で愛飲されている甘い味の健康茶です。日本では、1994年のアレルギー学会で発表されて以来、マスコミを通じて一般の皆さんの間でも注目されはじめています。花粉症やぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を抑える効果が期待でき、実際、臨床的にも甜茶の効果が確認されています。
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本日はお忙しいところ、本当にありがとうございました。 |